「事故直後~葬儀が終わってすぐ」にしたほうが良い手続きとは?
交通事故が起きてご家族が亡くなったら、たくさんの手続きをしなくてはなりません。
そこで、今回は交通事故発生直後から葬儀を終えたあと、できるだけ速やかにしたほうが良い手続きをまとめてご紹介します。
死亡届の届け出とそれに関連する諸手続き
なにをさておいても、故人の死亡届を出さないことには話が始まりません。
警察や故人が運びこまれた病院から「死亡診断書」か「死体検案書」を発行してもらい、「死亡届」を書いて役所の市民課まで提出しに行きましょう。
なお、役所の営業時間外でも宿直室などで24時間提出することができます。
必要なものは、
- 死亡届
- 死亡診断書か死体検案書
- 死亡届を出す人の印鑑
です。
火葬許可証の交付手続き
死亡届を役所に提出すると、その場で「火葬許可証」という書類を交付してもらえます。
葬儀社に連絡をして葬儀をあげる(火葬をする)ためには、この許可証が必要なので必ず受け取って帰りましょう。
もし土葬をということなら、「火葬許可証」ではなく「埋葬許可証」を交付してもらうことになりますが、多くの場合は火葬許可証だけで大丈夫です。
必要なものは死亡届の提出のみで、死亡届の提出と合わせて葬儀社に代行してもらうことも可能です。
国民(更正)年金の手続き
国民皆保険制度があるので、いわゆる会社員の方は厚生年金、それ以外の方は国民年金に加入しています。
年金にもいろいろあるのですが、加入者が亡くなった場合、「年金受給権者死亡届」という書類を年金事務所に提出する必要があります。
国民年金を受け取っていた人なら14日以内、厚生年金を受け取っていた人なら10日以内に手続きしなくてはいけません。
亡くなった月の年金は、遺族が手続きをすれば受け取ることも可能です。
そのほか、遺族基礎年金や死亡一時金なども手続きできますが、それぞれ必要なものや届け出先が違うので、時間のあるときに近所の年金事務所で調べておくと良いでしょう。
介護保険の資格喪失手続き
日本では、40歳になると介護保険の支払いをするようになります。
要介護認定を受けている人が亡くなった場合、14日以内に役所に行って「介護保険被保険者証」を返却しなくてはなりません。
場合によって、未支給分の請求や介護保険料の未納・払いすぎの調整なども必要です。
また、介護施設に入っていて「介護保険負担限度額認定証」をもらっていた人も届け出をします。
障害者手帳の返還
事故にあわれた方が身体・精神障害者手帳をもっていた場合、手帳の返還手続きをする必要があります。役所の福祉課など、手帳の交付を受けたところに行って手続きするわけですね。
住民票の除票
亡くなった人は現住所からいなくなるわけですから、住民票からそこに住んでいた、という情報を抹消されてしまいます。これを住民票の除票と呼ぶのですが、じつは死亡届を提出していれば特別なにかする必要はありません。
住民票の除票は、情報が更新されてから5年間取り寄せることができます。死亡届と同じような証明ができるので、不動産の登記を変更するときなどにも利用できます。
見た目は、書類のうえのほうに「除票」と書いてあるだけで、見慣れた住民票と同じです。
世帯主の変更
例えば、市県民税の請求は世帯主のところに届きますよね。
一つの世帯のなかで、誰が大黒柱なのかを決めるのが世帯主です。
死亡事故によって世帯主が亡くなってしまった場合、14日以内に役所に行って「世帯主の変更届」を出さなければなりません。
職場の退職手続き
死亡事故は家族にとっても大変なことですが、職場にとっても思いがけないできごとです。
会社から貸与されている社員証やパソコン、制服などの返却なども必要ですし、心配もされているでしょう。
できるだけ早く勤め先に「死亡退職届」を送り、退職手続きを行います。
給与の支払いや会社から死亡退職金が出る場合もありますので、放っておくわけにはいきません。
遺言書の検認(遺言書がある場合のみ)
死亡事故で亡くなった方が、「遺言」を残している場合があります。
遺言は遺産相続をするときにとても重要なもので、弁護士や公証役場にあずけてあったり、遺産を整理しているときにふと見つかったりします。
ただ、弁護士や公正証書遺言になっている場合は良いのですが、自宅で見つかった遺言は誰かが勝手に中身を見たり、内容を書き換えたりする可能性もありますよね。
そういったことを防ぐために、見つけた遺言はすぐに家庭裁判所にもっていき、そこで「検認(第三者がいるところで、公平な状態で内容を確認する)」しなくてはなりません。
遺言書が見つかるまえに遺産分割協議が終わっていたとしても、遺言が新たに見つかれば話し合いはやり直しです。
年金関係はとくに気をつけよう
亡くなった方の年齢や状況によって、年金の手続きはなにをすべきかが違ってきます。
年金関係の手続きはただでさえ内容が難しいので、日頃から万が一のことがあったときどういう手続きを取れば良いのか調べておくのがおすすめです。